記事一覧

書評 平壌を飛び出した宮廷詩人


 「わたしの娘を100ウォンで売ります」の著者である本人の35日間にわたる脱北の手記である。本の題目にある有るように、金日成総合大学を卒業した著者は詩人として金王朝の中でその指導者を称える抒情詩を書く仕事を生業としていた。正に宮廷詩人である。
北朝鮮の(前)統一戦線部に所属したエリートとして、その職業としていた大韓民国の情報を知る仕事をする中で、北朝鮮体制の矛盾とその失望、 そして、親友に降りかかった不幸をきっかけににその二人が脱北するスリリングなドラマが始まる。特権階級のみが持つ事の出来る通行証を持って国境線まで行くが、警備に捕らえられ調査を受ける場面では自分がその場面に遭遇しているかのようにドキドキした。そして、その場の危機を抜け出す為に取った行動に北朝鮮の中の人間的な部分を垣間見たり、豆満江を渡る場面、中国に渡ってからの公安当局に追われる場面など、一編のサスペンス映画を見ているような気がした。逃走中に出会う一人一人が奇跡のような人々であったしドラマであった。最後まで失くさないようにと持ち続けて来た北朝鮮の実情を綴った手帳。それを守る為に失った親友、35日間という期間の出来事を一気に読み終えてしまった。最近何かと話題の北朝鮮の実情を知る上でもとても参考になると思うので、一度読んで欲しい一冊だった。


関連記事

ピックアップ記事

  1. 2018.7.4

    ここが知りたい! 韓国と北朝鮮の言葉の違い

    はじめにアンニョンハセヨ? 最近は、ロシアで開催されている国際サッカー連盟のFI...
  2. デュオリサイタルに参加して

    2018.6.18

    一枚の絵画を鑑賞しているようなクラシックコンサートを鑑賞

    禹藝珠、朴知利によるデュオ・リサイタルに参加、横浜博物館6月17日、禹藝珠(ウ・イエジュ)、...
  3. 第97回超宗教フォーラム

    2018.5.18

    【本部】第97回超宗教フォーラム参加、自然を守る超宗教

    5月17日、「平和構築に対する宗教者の責任III」というテーマで「第97回超宗教...
  4. 世界日報の記者との勉強会

    2018.5.17

    【北関東】世界日報記者との勉強会「LGBTが問うもの。宗教と科学の狭間で考える」

    5月13日、平和統一聯合北関東エリア(茨木、群馬、埼玉、栃木)で活動する担当者の...
  5. アジアリーダース授賞式

    2018.5.15

    アジア共同体に貢献「第4回 Asia Leaders Award」協力

    政治、経済、社会、文化等でアジア共同体形成・平和活動に貢献した個人・団体を表彰す...