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黄七福自叙伝「反韓姿勢のこと」/「小学校長の差別発言のこと」


 

黄七福自叙伝53

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第4章 民団大阪本部の団長として

反韓姿勢のこと

当時の日本のマスコミはみな反韓姿勢だった。

政府筋もそうした状況を憂慮していた。私に白羽の矢が立ち、「マスコミ収拾に尽力してほしい」と支援を依頼された。

当時、朝総連議長の韓徳銖は正月には大阪にきて、必ず新年の記者会見をし、朝総連組織を効果的にPRしていた。

民団はそのような記者会見を開いたこともなく、記者らにしてみれば、民団組織があるのかないのかさえの認識もなかった。

そこで、韓徳銖が一言いったら、私も一言いうという戦略を立て、まず、記者懇談会などを開催して意見交換する戦術を採った。戦術の責任者は宣伝部長の宋政模だった。

記者懇談会をしばしば開催し、朝総連と民団の記事を公平に扱うように求めた。

そのうち、人間対人間の付き合いも生まれてきて、親しみが深まり、そうなると、反韓姿勢も次第にやわらいできた。

そういう意見交換を通じてわかったことだが、大阪本社には外信部がなく、韓国関係の記事は直接、東京本社の外信部に送ることになり、その記事がそのまま地方へ流れていくというシステムだった。

その記事が間違った反韓姿勢の記事の場合は当然、民団が指摘し、是正を求めて、トラブルになるというケースが多かった。

読売新聞や毎日新聞は次第にそのように配慮してくれるようになり、特に読売新聞は顕著に反韓姿勢を改めてくれた。

その頃の読売新聞の編集局長が古澤、社会部長が黒田、記者が塚田という名前だったように思う。毎日新聞は柳原という名前が印象に残っている。

しかし、朝日新聞は頑強に反韓姿勢を貫き通した。

宋政模を責任者にして、各新聞社一人づつをソウルに招待したこともあった。”所変われば品変わる”という俗諺もあることから、韓国の素顔をその目で確かめてほしいという願いからだった。

事務局長の崔景乙に、朝日新聞の記者が「費用はどうするか」と聞いたそうだが、局長は「団長のポケットマネーだ」と答えたそうだ。

その招待は、一週間の予定だったが、四日目に各本社から「帰れ」という指示がきて、三日間の滞在で終わった。

後日、上六かどこの料亭で食事をしながら記者たちの感想をいろいろと聞いた。

そして、国が変わればその国の法律があることや、韓国の発展相などでいろいろと意見交換した。

反韓姿勢はなにもマスコミだけではなかった。

過去に、創価学会が韓国で猛烈な布教活動をしたことがあったが、そのとき、朴正熙大統領が「布教するのはいいが、朝、必ず東方を遥拝する。私ら小学校のとき、朝、朝礼すると、必ず東方(天皇、宮城)を遥拝した。日帝時代の蒸し返しだ」と言って、嫌悪感を示した。

そうしたことがあって布教禁止になったため、当時の創価学会も反韓姿勢になった。政府筋から私にも相談があった。

創価学会の信者のなかには、在日同胞も相当数がいて、大阪に創価学会を結成するときに、民団の旧屋舎の講堂を貸したこともあった。

そうしたつながりがあったから、私は、在日同胞の信者を通じて創価学会に反韓姿勢を是正してもらうように何回も話し合った。

そうした努力はかなり奏功したと思っている。

 

小学校長の差別発言のこと

大阪市東成区の深江小学校の吉田明弘校長が、大阪市外国人教育研究協議会(市外教)との懇談会(一九七四年十月二十一日)の席上で、

「日韓併合は二、三十年早くすべきだった。どうせ日本がしなければロシアか清国に侵略されていた。日本は世界の植民地政策に乗り遅れた」

「日本人児童の教育も十分に出来ないのに、外国人児童のことまで考える必要はない」

などと発言していたことが明らかになった。

十月二十九日、大阪市内の民族学級の教師六人が深江小学校を訪れ、吉田校長に「韓民族に対する冒涜である」と厳重抗議し、謝罪を要求した。

私も、教育者にあるまじきこの暴言には驚いた。


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