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私たちが追求する平和は何か

世界潮流

 自然の移り変わりは、誰も気づかないうちに起こる。しかし、夏から秋へと変わる時は、蒸し暑い風と照り付ける日差しから、少し涼しいながらも刺すような日差しとなり、新しい季節が来たことを感知する。人類が願う平和の春は、いつ来るのだろうか! 私たちが描く自由は、ひと日の夢なのか! …様々な問いを投げかけてみる。

ポンペオの演説

 世界日報(8月3日~6日)に連載された、「ポンペオ演説の衝撃」という記事を読み、多くのことを考えた。彼の演説の要旨は「自由世界に対する中国共産党政権の脅威を指摘、米中関係は、『自由民主主義』対『共産主義』という、イデオロギーを全面に現した、新局面に入った…」。
 その影響により、次のような現象が起こった。国際社会の中国に対する態度も硬化していくようになった。例えば、オーストラリアは南シナ海における中国の領有権主張を否定し、インドは「TikTok(ティックトック)」など中国系アプリの使用を禁止、スウェーデンも中国の教育機関「孔子学院」を閉鎖、中国の通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)の5Gに対応する日本のNTT、米政府からファーウェイ製品を排除した「クリーンな通信会社」の認定等々…。
 新華社通信は先月25日配信の記事で、ポンペオ演説を「イデオロギー対立をあおり、中米新冷戦を叩きつけた」と非難した。米国より相対的に軍事力が弱いので、2030年まで宇宙とサイバー、それに経済面でのデジタル人民化に動き出しているとのことだ。「宇宙大国」を目指す中国は、既に衛星を撃ち落とす技術も完成させており、今年6月に55機目の衛星を打ち上げるなど、宇宙軍事力を持っているようだ。
 このような技術が実現すれば、空中でのドローン爆弾やミサイル誘導のみならず、海中での無人潜水艦や魚雷の誘導も宇宙から送信する可能性があるというのが世界日報の記事であった。そして、これに対する備えが無いのが現実だ。
 このような記事に触れ、米中戦争も簡単な終息は、価値観だけを強調して、脱中国に向かわせるのは難しい。経済繁栄ネットワークの提唱とコストを補う枠組みがなければだめなことも現実問題だ。

日本の「平和」に対するメッセージ

 安倍晋三首相は6日、広島市で開かれた「原爆の日」の式典で75年前、1発の原爆により廃墟と成りながらも乗り越えて、見事に美しい街へと復興を遂げた過程を回想しながら、次のように述べた。
 「本日ここに被爆75周年の広島市原爆死没者慰霊式ならびに平和祈念式が挙行されるに当たり、(中略)広島と長崎で起きた惨禍、それによってもたらされた人々の苦しみは、二度と繰り返してはなりません。唯一の被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた国際社会の努力を一歩一歩、着実に前に進めることは、わが国の変わらぬ使命です。(中略)非核三原則を堅持しつつ、立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促すことによって、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしてまいります」
 終戦75年を迎えて、政府主催の全国戦没者追悼式が行われた武道館では、安倍晋三首相と遺族540名が戦没者310万人の冥福を祈った。この日、天皇陛下は「戦後の長い時間を経て『深い反省』と再び戦争の惨禍を起こさないよう祈願」と言及した。

平和・自由主義・統一、そして歴史

 このような動きの中で、私たちが追求する平和は何かと、深く考えてみなければならない。そうであるなら、私たちには、自由主義を守ろうとする意志があるのかを、問わなければならない。統一を成す為に、私たちは隣国とどのような関係を維持するかを考えて見なければならない。私たちは過去の歴史を紐解かない状態で統一を願っている。そんな事で思い通りになるだろうか?

文鮮明総裁の視点

 このように難しい時、韓国に生まれた文鮮明総裁が世界的指導者になられたことは、その方の思想の中にあったということがわかる。
 そのお方が生きておられたなら、次のように私たちに語り続けるであろう。
 「生きるか死ぬかの苦労を1年半続けた末に、崔奉春が日本に教会を創立したのは、1959年10月のことでした。その時代、韓国と日本は正式な国交を結んでないばかりか、圧制政治のつらい記憶ゆえに、誰もが日本との修交に激しく反対していました。そのような恩讐の国日本に、密航させてまで宣教師を送ったのは、日本を救うためであると同時に、大韓民国の未来を開くためでもありました。日本を拒否して関係を断つよりも、日本人を教化した後、私たちが主体となって彼らを味方につけなければならないと考えました。何も持たない韓国としては、日本の為政者と通じる道を開いて日本を背景にしなければならず、また、何としてもアメリカと連結されてこそ、未来の韓国の生存の道が開かれると見通したのです。崔奉春の犠牲によって宣教師の派遣に成功した後、日本教会は久保木修己という優れた青年指導者を得て、彼と彼に付き従う若者たちによって、しっかりとした根を下ろしました」。(文鮮明総裁自叙伝『平和を愛する世界人』より)

民族の夢の実現には

 我が民族の夢を成すために、周辺国の力が必要ではないだろうか。その力を得るためには過去のみにとらわれないで、現実的な未来のために、共に行くことのできるプロセスが必要ではないだろうか。未来のために共に成すことのできる日韓トンネルを掘る事ことによって、民族感情を昇華させ、新しい東北アジアに孝情文化を創ることができるのではないかという思いが頭から離れない。

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