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黄七福自叙伝「朴正熙大統領に対する評価のこと」


 

黄七福自叙伝66

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第5章 在日同胞の将来を考えつつ

朴正熙大統領に対する評価のこと

朴正熙大統領に一部の人は不満を抱くようだが、全知全能の神でない限り、一〇〇パーセント完成された人間であることは不可能というものだ。

朴正熙大統領になって、国の乱れは収まり、統制がとれ、秩序が保たれた。これだけは強く印象に強く残った。

朴正熙大統領の治世下に、漢江の奇跡といわれるほどに世界がびっくりするほどの経済発展があった。

浦項総合製鉄所の話だが、朝、「パプダパプダ(忙しい忙しい)」と言って、ワーッと通勤する姿がそのまま日本のテレビに映し出されたことがある。

それを日本で見ていても、何か国が一つにまとまって、わーっという勢いで発展、前進している感じがした。

朴正熙大統領の独裁は弊害もあったかも知れないが、朴正熙大統領が登場していなければ、今日の韓国はありえなかったろうと確信できる。軍事革命が起きた当初、その評価を下すことはできなかったが、結果がよければ、良しとしなければなるまい。

ソウル会という会があって、私が民団大阪本部の団長の時、毎日新聞ソウル特派員だった古野が会長だ。

毎月、会合を開いているが、そういう場では独裁は反対という人が多い。確かに、独裁はいいとはいえないが、必要な場合もある。

わが国の流れとして、歴代の大統領に、ご苦労様と拍手を送った例は一人もいない。亡命するか、ブタ箱にいくか、それしかない。換言すれば、前官待遇という風土がまったくないといえる。

そうした流れは、わが国の悲劇ともいうべきもので、本当の意味で国がまとまり、円満な政治風土が造成されるためには、大統領が任期を終えた場合、国民が「スゴヘッスミダ(ご苦労様)」という流れにならなければならない。

そうでなかったから、長いあいだ韓国にいた香港特派員が、「韓国に先輩がいなかった」と述懐したそうだ。

金泳三以後は、流れが多少変わっているように見受けるが、それでも何かしらゴタゴタしている感じだ。

そうした流れは、民団でも同じようなことがいえる。現在が一番という感覚で、過去になにがあって、そんなものしれてるわという感じで、あまり評価しない。

自分が生きているときだけが華で、時代が変わればすべてがなくなるということ、現在があっても過去はないということだ。

そうした風土は実にさびしい風土といわねばならない。


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