記事一覧

黄七福自叙伝「朝総連組織のこと」

 

黄七福自叙伝78

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第5章 在日同胞の将来を考えつつ

朝総連組織のこと

いま朝総連施設が十何カ所かで競売に付されている。その後は民団施設も同様の扱いをされる危惧がある。大阪でも支部などは財政難で大変な時期だ。

二〇〇六年一月十四日付の産経新聞に「テロ組織 朝鮮総連の施設が競売へ」「RCC 総連施設を競売 大阪本部立ち退きも」という見出しで掲載された記事を紹介しよう。

 

大阪市東淀川区の「在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)大阪府本部」が入居している建物と敷地について、破綻した在日朝鮮人系信組から不良債権を買い取った整理回収機構(RCC)が競売を申し立て、大阪地裁が競売開始を決定していたことが二〇〇六年一月十三日、分かった。

朝鮮総連の地方本部が入居する施設が競売手続きを取られていたことが明らかになるのは初めて。債権回収が進んでいない各地の総連関連物件に波及する可能性もある。

朝鮮総連をめぐっては北朝鮮への不透明な資金の流れが指摘されてきただけに、法を厳格に適用した北朝鮮に対する「実質的な経済制裁」と位置づけることもできる。

登記簿などによると、朝鮮総連大阪府本部が入る建物は鉄筋コンクリート造り地上六階、地下一階の延べ約三千六百平方メートル。建物と敷地はともに朝鮮総連関連の商社が所有している。

RCCが平成十年五月、この商社に対して朝銀大阪信用組合(破綻)が融資し焦げ付いた不良債権を買い取った。債権回収が進まなかったためRCCは昨年九月、府本部を仮差し押さえ。

大阪地裁は昨年十二月六日、建物と敷地の競売開始を決定した。入札で第三者が落札すれば、府本部が立ち退きを迫られることになり、そうした事態を回避したい総連側が落札すれば債権回収は進む。

関係者によると、この融資は十数年前、府本部の隣接地を購入する際に借り入れたもので、数億円が焦げ付いたという。RCCはこれまで朝銀東京や朝銀近畿など破綻した在日朝鮮人系の十六信組から千八百十億円の不良債権を買い取った。

このうち約六百二十八億円が個人・団体を介した朝鮮総連向けの貸し付けだったとして昨年十一月、朝鮮総連に対し全額返還を求める訴訟を東京地裁に起こし、「直接回収」に乗り出している。

昨年九月時点で回収額は千四百八十一億円で約二割は未回収。今回のように地方本部の施設が入る不動産の競売手続きは初めてとみられ、朝鮮総連に毅然とした姿勢を示すことで回収を進める狙いがある。

RCCは「今後の回収にも影響するので、個別の案件については答えられない」とし、朝鮮総連中央本部は「産経新聞の取材には答えられない」としている。

競売というのは、債務者の不動産を売却し、代金を債権の弁済にあてる方法。債権者の申し立てを受けて、地裁が競売開始決定を出した後、裁判所の執行官による現況調査や評価人による鑑定などを経て入札が行われ、最高価格の提示者が落札する。

競売開始決定から入札まではおおむね数カ月かかる。

関連記事

コメントは利用できません。