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黄七福自叙伝「金大中大統領のこと」/「盧武鉉大統領のこと」

 

黄七福自叙伝69

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第5章 在日同胞の将来を考えつつ

金大中大統領のこと

金大中の反政府活動に対して、民団は激しく非難してきたが、金大中は、一九九八年の第十五代大統領選挙で当選し、大統領に就任した。

私たちも青瓦台に招待されていろいろな話が出た。

「人間というものは、衣食住足りて政治に余裕ができる。餓死状態の人間は、神経過敏な方向にいって敏感になるから、腹がふくれるようにしてやれば考え方も柔軟になり、南北関係がよくなる」ということで、それが太陽政策だった。

金日成は高麗連邦制という形で”連邦”を主張しているが、金大中は”連合”と言っている。

しかし、韓国の憲法にはそういう国家単位の”連邦”とか”連合”というものを承認する条項はない。

金大中大統領は二〇〇〇年六月十五日に北朝鮮を訪問し「六・一五共同宣言」を発表したが、朴正熙大統領のときの「七・四共同声明」の内容と同じものだ。

その「七・四共同声明」が一顧だにされないのは残念というほかない。

 

盧武鉉大統領のこと

金大中の後を継いだ盧武鉉大統領は当初、国民の期待を一心に集めたようだが、今は失望に変わっている。反米親北の政策がその原因だ。

一部では盧武鉉が民主社会主義的な考え、純然たる社会主義じゃなくて、社会民主主義か、 そういう考えを持っているのではないかという噂もある。

それでは国民は”ついていけない”と感じるだろう。極端にいえば、ピョンヤンがソウルにきたような感じであり、これはまさに憂うべき状態だからだ。

祖国は、分断国家として、世界で一つ残っている。片方は共産主義、片方は民主主義、要するに同じ民族がイデオロギーで対立しているとみた場合、民主主義が勝利すると見ることができる。

私たちが願っているのは、自由民主主義のもとに祖国大韓民国が繁栄し、祖国の平和統一が達成されることだ。

私は、自由民主主義による平和統一こそが最善の道だと信じている。北朝鮮の統一方式でやるなら、統一の必要はない。

それは弾圧と圧殺の政権になることは必定だからだ。共産主義政権というものは絶対統制社会であり、自己に有利な方策を常に模索している。

二〇〇五年八月、東京で平和統一諮問会議が開かれ、私も参加した。

青瓦台で懇談会があったが、盧武鉉政権には北工作員や左翼運動家らが見え隠れしている。

国家保安法廃止を云々したり、過去の智異山の武装ゲリラも民主化に寄与したなど広言している。それに、盧大統領の北朝鮮の軍服姿の写真がインターネットで流れる始末だ。

私は、安保関係などに関して質問したが、結局は、平和統一のためには国家保安法の廃止が緊要だとの返事だった。

しかし、北朝鮮は今でも武力統一、赤化統一の法律がそのまま残っており、それはそのままで、韓国のほうだけなくするのはおかしいと言った。

そして、武装ゲリラは、そのときの体制を打倒するための蜂起であって、それがどうして民主化に寄与したのか分からないと言ったら、答えもなにもなく、聞いて聞かないふりだった。

スパイ工作員として拘禁され者が獄中で思想転向したということが、民主化功労者として讃えられるという異常さだ。

このような政治に内外国民は同感しないし、このような事態は早く終わってほしい。それに、二度とこのような政権は選んでほしくない。

つい最近のことだが、政府高官の容共的な言動を激しく抗議したりするものだから、ある日、富士の社長に誘われて、一緒に食事をしたが、「もう年やから、あんまり過激なことするなや、心配でみておれん」と忠告してくれた。

私の反政府言動を心配してのことだった。

もしものことで、官憲筋に拘束でもされたら、自分もじっとしておれんやろという気持からだった。

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