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黄七福自叙伝「白頭学院六十周年のこと 」/「民団中央本部の団長のこと」


 

黄七福自叙伝76

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第5章 在日同胞の将来を考えつつ

白頭学院六十周年のこと

私は、一九九〇年から九四年まで、白頭学院の理事長を務めた。

白頭学院が創立六十周年を迎えて、心から祝福の言葉をおくりたい。祖国が解放されて、何もないところで、この学校を設立した先輩らは大変な苦労をしたと思う。

記憶に残るのは李慶泰先生と姜信吉先生だが、歴代の校長も苦労しただろうと思う。

特に李慶泰先生は、祖国が南北に分断されたが、中立ということで、どちらにも偏らなかった。

その姿勢に対して、大韓民国を支持する民団では「左だ」と言って色目でみた。確かに、民団の側から見れば、反対組織(朝総連)に属する先生もきていたし、ビラも貼ってあった。

国旗のない学校だ、悪くいったら日和見主義者じゃないかと、左右双方から非難され、民族教育をするのに国旗がないというのはおかしいではないか、と詰め寄られた。

結局、民団の協力を受けて、大極旗を立てるようになった。

日本のなかでの民族教育というものは、本国からは満足するような支援もないし、日本からみると、外国人の学校だというわけで、何かにつけて目に見えない圧力がある。

そうしたなかで歴代の理事長は多大な犠牲をはらったと思う。

私も十三代目の理事長をしたが、講堂がなかったので、文教部長官が同じ苗字の者だったから、彼に頼んで、二億か三億かの支援金を出してもらい、講堂とかを建てた記憶がある。

国民という意味から、国というものは親と緒で、海外であろうと何処であろうと、どうして国家財政一〇〇パーセントの国民教育ができないのかと、歯がゆい思いがする。

国内法があって、私立学校のままだから、一〇〇パーセントの支援は法に触れるというのがその理由らしいが、ならば、法を改正するなり、特例を設けるなりすればいいのではないだろうか。

日本の中で永遠に韓国人として生きるためには、自分の国の文化、言葉はわれわれが守っていかなければならないのだ。

現実として、在日同胞も徐々に日本人化される傾向にあるが、教育の場はやはり韓民族であるという教育、言葉はもちろんのこと、文化、歴史、そういうことをきっちり教育する場でなければならない。

日本の社会に適応しながら、韓民族の言葉、歴史、文化をならっていくことが大事だと思うし、在日同 胞が存在する場合、白頭学院は韓民族の教育の場としてますます繁栄してほしいと願っている。

 

民団中央本部の団長のこと

民団中央本部の団長というものは、われわれ六十万人の長だから、それだけでも大きな力だという自覚が必要だ。

だから、韓国を訪問して、要人の顔色を伺う必要はない。六十万人が応援者だという気概をもって堂々とやればいいのだ。

中央本部の団長として印象に残るのは、韓国へ行っても堂々としていた李禧元団長だ。

要人と会う時間を約束したとすると、その時間に他の人が入りでもすれば、私の時間だと言って、その人を退出させる気迫があった。

在日同胞に不利な政策などに対しては、国会へ乗り込んで堂々と反駁し、代案を堂々と提議するぐらいでなければ、なんの値打ちもない。

その面からでも韓国語が流暢にこなせる人が団長にならなければならないし、自分の国の言葉で、堂々と意見を言える人でないと話にならない。

在日同胞が何を望んでいるかを堂々と演説できるぐらいの資質が必要だし、日本を変えるぐらいの気概でやる必要がある。

その中央本部がいま、団長の資質問題で揺れている。

それに際し、私は民団中央本部顧問として、次のような一文を統一日報に投稿した。


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