記事一覧

書評 日本から「北」に帰った人の物語


1959年日本から北朝鮮に帰国する事業が行われた。この間「北」へ帰った人は9万3千人名あまり、著者もその一人である。しかも拉致被害者は別として正式に帰ってくる人の無い中で、脱北という手段を通して日本に帰り、朝総連系在日の人から伝え聞く以外余り知られていない帰国者の北での惨状を知ることの出来る貴重な読み物である。小説形式を取ってはいるが、リアルに書かれている内容は紛れもない事実であろう。今まで韓国に脱北して来た人達が書いた同様の本も映画もいくつも見てきたが、かつては共に日本で勉学した友人が、もしその主人公だったらと思うとまた違う思いをもつだろう。日朝国交の進展が気になるこの時に、地上の楽園と信じて渡った歴史の生き証人達の声に耳を傾けてみるのも必要だと思う。是非一読してほしい一冊である。


関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 2019.5.10

    芸術家における人間性の光と闇

     芸術家における人間性の光と闇  文芸評論家の小林秀雄が、同時代の文学者などの評価について語...
  2. 2019.4.23

    【広島】セミナーを復習し、力に

    過去に朝鮮半島問題に詳しい専門家を招いたセミナー映像を復習する形で、「韓半島平和統一を考えるセミ...
  3. 2019.4.23

    【九州】朝鮮通信使の善隣友好に思いをはせて

    「相島!春フェスタ」(共催:相島ドリームワークス、若潮の会、相島桜槿会、相島歴史の会)が4月20日...
  4. 2019.4.19

    花見というリフレッシュ

     もう桜の花の時期が終わりかけたところもあるだろうが、これからという地域もあるだろう。
  5. 2019.3.11

    身体感覚と老化現象

     高齢者と呼ばれる年齢になると、身体の不調を嫌でも知らされる。