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黄七福自叙伝「大統領狙撃事件糾弾大会のこと」/「木村外相妄言糾弾大会のこと」


 

黄七福自叙伝46

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第4章 民団大阪本部の団長として

大統領狙撃事件糾弾大会のこと

民団本部は一九七四年九月九日、北区の扇町公園で「朴大統領狙撃事件糾弾大阪地区民衆大会」を開催した。

台風一八号の影響で朝から降りつづく雨にももかかわらず、二万人余が参集し、故陸英修女史に黙祷を捧げた後、タスキにハチ巻き姿で「犯罪者集団の朝総連を粉砕せよ」「木村日本外相妄言を取消せ」「朝日新聞は偏向報道をやめよ」などと激しく糾弾した。

青年部に所属する洪性仁、金清一、白偉价、安衝淑、鄭柄夏の五人が金日成一党を打倒する声明書に血判を押して気勢をあげた。

尹達鏞民団中央団長や中山正暉衆議院議員らが激励の言葉を述べ、沈載寅副団長が「極悪非道の民族反逆者である金日成とその手先朝総連の目にあまる犯罪行為の数々を糾弾する」との大会決議文を読み上げた。

木村俊夫外相妄言に対する抗議文および要請文、朝日新聞の偏向報道に対する抗議文、文世光の旅券を発給した大阪府庁、また背後組織朝総連の徹底捜査を要求する要請文をそれぞれ採択した。

その後、太極旗を先頭にデモ行進に移り、梅新~桜橋~朝日新聞大阪本社前~大阪府庁~大阪城公園までの六キロを行進し、関係各所に抗議文や要請文を手渡し、現地解散した。

「決議文」は次のような内容であった。

 

①われわれは今般の朴大統領狙撃事件が赤化武力統一に狂奔する北傀とその手先である朝総連の指令による犯行であると断定し、日本政府に対して、朝総連をテロ集団として徹底的に捜査糾明することを要求する。

②われわれは、日本の一部マスコミが韓国のあらゆる問題に関し従前と同様の偏向報道を続けていることに対し、その報道姿勢を是正するよう抗議、糾弾する。

③日本政府は朴大統領狙撃事件に対し、文世光が日本警察の拳銃と日本政府が発給した旅券を所持して入国した事実にかんがみ、政治的、法律的、道義的責任を回避できないものと断定する。

④日本の木村外相はこんどの狙撃事件に関し「日本は法的道義的責任がない」「韓国に北からの脅威はない」など、過去の久保田妄言以上の不穏な発言を行ったことは、全く非常識極まりない現実無視の発言であり、この「木村妄言」に強く抗議するとともにその取り消しを強く要求する。

⑤日本当局は、日本を北傀の対韓赤化工作基地として利用してきた犯罪テロ集団「朝総連」を即刻解体するよう要求する。

 

木村外相妄言糾弾大会のこと

民団大阪本部は、九月九日の「朴大統領狙撃事件糾弾民衆大会」につづいて、九月十八日、大阪城太陽広場で「朝総連粉砕及び木村日本外相妄言糾弾大阪地区民衆大会」を開催した。

参集した二万人余の同胞に、私は「民族の仇敵である金日成および朝総連を粉粋しよう。韓国無視の妄言を連発する木村日本外相を糾弾しよう」と訴えた。

宋政模宣伝部長が「木村日本外相の妄言に対する抗議文・要請文」と「大会決議文」を朗読し、それぞれを採択した。

大阪韓国学校生徒らが掲げる太極旗を先頭にデモ行進し、「朝総連を粉砕しよう」「木村外相妄言を取消せ」「朝日新聞は偏向報道をやめよ」などのプラカードを掲示して、森ノ宮~鶴橋~生野区~玉造公園までの四キロをシュプレヒコール返しながら、行進した。

その途上、朝総連との衝突もあり、暴力事件も発生した。

この暴力事件にからんで、六日後の九月二十四日、民団大阪本部の朝総連系同胞母国省墓団事業の実務責任者が出勤途上に生野署に逮捕された。

「朝銀職員四人がデモ隊参加者に襲撃された」という朝総連側の告発を受けたものだった。

傷害容疑は朝総連側の告訴により民団実務者を被告とする法廷闘争となった。

大阪地裁における四年五カ月間、三十七回の審理を通じて、一九七九年二月二十一日に言い渡された判決は「朝総連系の証人の証言は被害者らを目撃したというが、要領をえず、正当性に疑問が残る」として無罪となり、民団側の勝訴となった。

朝総連側がとんでもないでっちあげ裁判を敢行したことが明らかになり、朝総連系同胞母国省墓団事業に対して大きな危機感を抱いてることを暴露した。


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