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南北統一の糸口は何から始まるのか!

 

南北統一の糸口は何から始まるのか!

 

 

平昌オリンピック以後、4・27南北首脳会談と6・12米朝首脳会談を通して、国際社会が韓半島に注目している情勢だ。シンガポールで合意された4つの条項は、多くの大人たちが聞かせてくれた言葉を思い出させてくれた。それは「針を持った者と斧を持った者が戦えば、誰が勝つか」という言葉だ。その大人たち曰く「斧は振り回せば人が死ぬので恐怖だけを与えるが、針を持った者は何度もプスっと刺して相手の血を干からびさせて殺す」というものだ。「米朝首脳会談の約束を守ることは、簡単ではない」と予見している。

 

米朝共同声明の4つの条項

 

米朝共同声明の4つの条項は、1.米―北の関係改善、2.韓半島の平和、3.完全な非核化、4.遺骨送還である。これをどのように解釈するか、国や記者により各々異なる。

先日参加したUPF政策委員会ワーキング会議(6・22)では、北朝鮮の核問題を扱う討論が行われた。そこでの議題は「金正恩とトランプというキャラクターについて」と「彼らの非核化の約束がどのように進行されるか」というものだった。答えを導き出すことは難しかったが、シンガポールの現場で取材された方々の貴重な意見や、長い間、勝共運動をされた方の意見を聴き、学ぶことが多い時間だった。私は「トランプの意向である非核化追求の根本戦略は、北朝鮮が中国側からアメリカ側へ自らブロックチェンジすること、すなわち陣営移動にある。覇権国家であるアメリカは、韓半島の非核化問題と共に中国を牽制する意図もあるのではないか」と主張した。論理的飛躍にも思えるが、「覇権国家であるアメリカは、弱小国家に対する配慮があるかどうか分からない。しかし、根本的に条約のゲームで負けることはできない」というのが私の趣旨である。また米朝首脳会談の結果が、韓国の地方選挙にもある程度影響があったことに対する根拠を提示した。その理由は、南北首脳会談とシンガポールの米朝首脳会談によって、「戦争か平和か」という枠の中に今回の地方選挙があったからだ。

 

憂慮する点が現実化

 

文在寅大統領と金正恩委員長の会談を通して、「今後、終戦宣言(三者宣言)と平和体制(四者宣言)が必要だ」という認識が、シンガポールまで連結された結果になった。このような過程を通じて北朝鮮の外交範囲が広くなり、韓米側への要求が多くなる展望だ。

そして現在、北朝鮮は中国とアメリカの間で綱引きされている様相だ。この理由は何だろうか? 「今、北朝鮮が非核化をして、平壌にマクドナルドとアメリカの連絡事務所が入って来た時、果たして中国は後ろで手を組んでじっとしているだろうか? アメリカとの4項目を守らなければ、北朝鮮の未来は大丈夫だろうか?」と考えながら、金国防委員長は未来不確実性に悩んでいると考える。

最近の北朝鮮には「終戦宣言と平和体制転換以後の変化に不安を感じるので、軍事境界線を中心として60km偵察しないで欲しい」と要求した動きがある。お互いの考えが分からない状況で、果たしてこの要求は道理に合うことなのか考えてみる必要がある。アメリカと北朝鮮で交わされた非核化合意は、タイムスケジュールがなく持続的に進行している状態だ。アメリカと北朝鮮が近づき、韓米連合軍の訓練中止と共に偵察も行わないとなれば、大韓民国の国民は安保の威嚇を感じざるを得ないだろう。また、遺骨200体送還も時間稼ぎをしている状況だ。あれこれ問題を考えてみても答えは見つからない。このような憂慮と共に韓半島の信頼の糸口はどのようにして解かれるのか?

 

平和統一の出発点はどこにあるだろうか?

 

各国で考えてみる必要がある。南北を中心に各国が満足できる答えはないのか、私たちが確かめてみる時になった。各国の最低の条件が出口条件になることもあり得る。北朝鮮は第2のベトナムになって共産体制を維持し、中国とアメリカとの外交関係も持ったり、南沙諸島問題のように、必要ならば中国と対立関係を持つ国になる可能性が高い。韓国、日本、アメリカ、中国との関係回復を願う北朝鮮は、シンガポールで交わした非核化と遺骨送還の約束を守り、国際社会に出てきたため、過去に戻ることができないであろう。「正常国家である」と証明しようとする北朝鮮は、当分の間、四大強国の中で綱引き状態になるが、結局は覇権国家であるアメリカの意志に従わざるを得なくなると考える。

 

一緒に住もう

 

今、南北は軍事通信線の復元合意と10年ぶりの鉄道議論、道路・森林会議を南北高位層間で進めている。また、ロシアと北朝鮮と韓国で鉄道三角関係を形成することについても、国家間で議論されている。このような変化が起こることに対する準備のため、東北アジアの平和のために、日本ができる役割はないだろうか?

拉致問題を解決していく過程において、北朝鮮帰国事業で朝鮮人の夫と一緒に行った日本婦人たちが、里帰り事業で日本の故郷に戻り、父母兄弟や親戚には会えたが、両国に家族・親戚を持つ彼女らの自由往来は認められていない。両国の自由往来を実現するなかで、

彼らの平素の気持ちを晴らし、両国の信頼関係を発展させ、経済的支援をするべきではなかろうか? 信じることのできない相手国であったとしても、彼らが平和に参加できる名分を作り、国際社会の要求する人権問題の中でも解決できるところから始め、北朝鮮が国際社会の一員になれる環境を作ってあげるべきではないだろうか!

平和統一の糸口をつかむには、日本が周辺国と共に、北朝鮮が国際社会で正常国家として背伸びできるように案内しなければならない。朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国が平和統一されるには、周辺国の助けが絶対的に必要だ。平和統一聯合の文鮮明総裁は生前に「一緒に住もう」とおっしゃられた。南北の平和統一を説かれた文総裁のメッセージが、今日の南北を中心とする東北アジア情勢の核心的キーワードになれるよう祈っている。

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