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『二十一世紀の朝鮮通信使』 はじめに


はじめに

 朝鮮通信使は江戸時代、日朝を結んだ外交使節であった。
 1607(慶長12)年から 1811(文化8)年まで、計12回にわたり来日し、朝鮮ブームを巻き起こした。それほど大きなインパクトを日本社会に与えた。
 では、当時、朝鮮通信使は何を日本にもたらしたか、その役割は何だったのか。

 「朝鮮通信使と共に 福岡の会」結成にあたり、そのような基本的なことを確認したい。いうならば朝鮮通信使の精神は、何だったのかを鮮明にすることは、会の活動を進める上で欠かせないと思うからである。最初に、要点だけを記しておきたい。

鎖国体制が時代を覆っていた当時、朝鮮は通信使を通じて、日本国内の実情を把握、認識した。日本は、釜山の草梁倭館に滞在する対馬藩士から朝鮮の情報を得た。お互い外交チャンネルを持つことで、誤解や偏見を解消していった。
 18世紀後半から19世紀前半にかけて、朝鮮では一部の実学者の間で従来の政治・軍事中心の日本への関心が減少し、代わりに文化への関心が大きくなった。朝鮮通信使の往来が、これをもたらした。華夷観から脱皮して発展していった、日本文化に対する関心の増大が大きく左右した。
 この時代、朝鮮通信使の往来によって、日本社会の様子や文物が朝鮮の知識人に紹介され、彼らの日本認識を改める上で役立った。日本は、通信使がもたらす文物によって、先進文化に触れることができた。

 民際交流の大切さが叫ばれて久しい。なぜ、それが必要なのか。人の往来・交流、友好活動は、人のもつ固定観念や偏見を変え、誤解を正し、真の日韓友好に寄与できることは間違いない。国境を超え、お互いを支え合う良好な関係があってこそ、「日韓関係」は進化していく。日韓、さらにアジアの発展を促す上で、求められているのは、朝鮮通信使の精神であり、それを体現した「21世紀の朝鮮通信使」ではないだろうか。
 「21世紀の朝鮮通信使」という自覚を会員諸氏に抱いていただくために、この小冊子をまとめた。日頃の学びの基本にしていただければ幸いである。

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【転載】『二十一世紀の朝鮮通信使』(朝鮮通信使と共に 福岡の会 編)
 嶋村初吉氏の許可を頂きました

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