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第15回FPU愛知・三重 平和大使懇談会

 名古屋市内の会場で3月26日、「日韓トンネルと南北統一」をテーマに第15回FPU平和大使懇談会が開催され在日コリアの指導者や学者、文化人ら60人が参加した。
日韓トンネルと南北統一
 はじめに主催者を代表して、金 渙平和統一聯合愛知県本部会長は「日韓トンネルが実現すれば韓日関係が近くなり、南北統一の推進に貢献するばかりか、中国、ロシアにも通じ大いに北東アジアの親善に寄与するであろう」と述べた。
 続いて、最近の日韓トンネルに関わるテレビ報道などのVTRが上映された後、山岡建雄一般財団法人「国際ハイウェイ財団」理事長による講演が行われた。
 
講演の中で山岡理事長は「文鮮明総裁が1981年11月の第10回科学の統一に関する国際会議(ソウル)で提唱された国際ハイウェイ構想から事業を始めた30年前は政治、経済、技術の面から“夢の構想”としてなかなか支持されなかった」。また、「韓国側からは、日本がトンネルを掘って再び大陸進出をしてくる気か」と歴史上のわだかまりの壁があったと過去の事業活動を振返った。しかしその後、韓国の盧泰愚、金大中、盧武鉉等歴代の大統領は、日本での国会演説や首脳会談等でたびたび日韓トンネルに言及した。「日韓両国で年間450万人を超える往来がある。空と海だけではなく陸続きの交通機関は近い将来必要になるだろう。建設費が膨大であるので、上下分離方式(インフラの建設と運行・運営の分離)によるプロジェクト推進が検討される必要がある。環太平洋時代を迎えている今日、中国、ロシア、アジア圏への展望を踏まえ、日韓両国は協力して政府レベルでの合意を進展させるべき」と訴えた。
また、「文総裁は(トンネルに経済効果があるかという経済的観点からではなく)『いかに世界の平和に国際ハイウェイが必要か』という観点でとらえておられる」とその提唱のビジョンについて解説し、「日韓には複雑なわだかまりや対立要素があり、文総裁の平和理念の介在が必要」と語った。そして、これまで民間としては膨大な資金を投入し、海上からの船による海底地質の音波探索や、対馬西水道の海底ボーリング、東松浦半島、壱岐、対馬など陸上部の地質ボーリング調査、唐津での調査斜坑の掘削、予想ルート検討等、トンネル工事に必要な資料の蓄積を図ってきたことなどが報告された。
 最後に南北統一に対して、「日本が陸路で中国とも繋がれば南北間を通過するだけで経済の恩恵がもたらされる。トンネルは南北統一推進への有利な環境となるのでは」と語った。
 参加者からは「こんなに具体的に調査をしていたとは知らなかった」「青函トンネルや英仏間のユーロトンネルなど経済事情の比較が聞けて面白かった」「ユーロトンネルの列車に車を積む移動方法などの安全策は、かなり現実的だと思った」などの感想が寄せられた。

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