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黄七福自叙伝「統一促進民衆大会のこと」/「東京での反政府活動粉砕のこと」


 

黄七福自叙伝49

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第4章 民団大阪本部の団長として

統一促進民衆大会のこと

民団大阪本部は一九七七年六月、中之島剣先公園で、「韓国動乱二十七周年平和・繁栄、統一促進大阪民衆大会」を開いた。

小雨の中、府下三十六支部、在阪諸団体などから四万余人が参集し、「金日成共産集団は南北対話に応じよ」などのタスキやハチマキ、プラカードが会場を埋め尽くした。

私は、

「北朝鮮金日成集団が南侵を強めている情勢の中で、駐韓米軍の撤退は盲目的なものである。だが内外韓国民が一致団結して進むなら、北傀の野望は必らず粉砕されるだろう」

と訴えた。

そのほか、曺寧柱民団中央本部団長、趙炳鳳在郷軍人会会長、中山正暉(自民党)、中野寛成(民社党)の両衆議院議員、本国から金益俊(共和党)国会議員らも「韓日両国は運命共同体である。北朝鮮共産集団の戦争政策を粉砕しアジアの平和のため頑張ろう」などと檄を飛ばした。

「朴正熙大統領に送るメッセージ」などを採択した後、御堂筋から難波体育館までデモ行進し、「戦争反対、平和定着」をシュプレヒコールした。

 

[大会決議文]

民団史上、類例のない悲惨な韓国動乱第二十七周年に臨んで、私たち在日韓国人は、北傀金日成共産集団の南侵野望を糾弾するものである。金日成唯一独裁体制が息子金正日を後継者に指名してさらに悪らつな手段で赤化統一を狙っているこの時、私たち民団員七万人は「国家安保の日」を迎えて、ここ大阪・中之島剣先公園で「韓国動乱第二十七周年大阪地区大会」を開催、愛国、愛族の精神で、祖国安保に立ち上り、本国施策実践に全力を尽すことを強く誓いながら、つぎの通り決議する。

一、われわれは、七・四南北共同声明と朴正熙大統領の平和統一三大基本原則を基調とする祖国の自主的平和統一を促進するための総力を傾ける。

一、われわれは、北傀の戦争政策を阻止し、民族的大同団結を指向する南北対話の早急な再開を促求する。

一、われわれは、日本を革命基地とする北傀と朝総連の対韓破壊工作を徹底封鎖する。

一、われわれは、祖国統一のその日まで朝総連系同胞の母国訪問事業を強力に推進する。

一、われわれは、北傀の対韓破壊工作に加担している反韓グループの行動を注視し、かれらの謀略と陰謀との闘争を強化する。

 

東京での反政府活動粉砕のこと

一九七七年八月十三日、東京上野の池之端文化センターで、反政府グループ韓民統による「海外韓国人民主運動代表者会議」が開かれた。

韓民統というのは、韓国民主回復統一促進国民会議という組織のことで、一九七三年に結成された。 その韓民統は、一九八九年に組織を改編して韓統連(在日韓国民主統一連合)と称するようになり、民団の良心的な民主人士を中心に結成されたと標榜しているが、その実態は、朝総連の別働隊である。

民団中央本部は、この反政府集会を阻止するため、全国から五百余人の抗議団を集結させることになった。

民団大阪本部もバスを連ねて百余人が上京し、会場前で果敢な抗議行動を展開した。

正面入口で旧韓青員らと衝突し、ドアなども破損、双方二十人余の負傷者が出た。

このため、東京・本富士署と警視庁機動隊が出動し、民団側の七十六人が建造物侵入などの疑いで検挙された。民団大阪本部の関係者は二十六人が検挙されたのである。

私は、彼らが留置されている警察署へ見舞いに行き、慰労した。

後に民団吹田支部の支団長になった梁信浩や、生野北支部の支団長をやった白偉介などの名前が印象に残っている。

白偉介は相撲取りのように体の大きい男で、会館の中の消化器を噴射してあたり一面に撒き散らすなど、華々しい闘いを見せた。

二十六人の逮捕者を出した民団大阪本部は、即座に「八・一三義挙青年救援対策会」を設置し、善後策を講じるとともに、声明文を発表した。

 

[声明文]

さる八月十三日、東京でいわゆる「海外韓国人民主運動代表者会議」なる政治集会が開催された。ここに集まった徒党は、過去に善良な韓国国民を食い物にし、そのあげく祖国を捨て、外国籍を取った唾棄すべき徒輩である。

かれらは日本の左傾反韓マスコミの偏向報道にのって、朝総連と結託し、北傀金日成共産主義集団の対韓武力赤化統一策に利を与えようといわゆる「民主会議」の名目でその先兵を果たしたものである。

国家と民族の平和と繁栄を願い南北対話再開と南北不可侵協定の締結を通じて自主的、平和的な祖国の統一を念願する愛国愛族の青年会員たちにとって、果たしてこのようなことが黙過できるであろうか。

同日午前、愛国愛族の気迫にあふれた青年会員たちは、金日成にあやつられたこれら海外逃亡売国奴集団に民族の正義を示そうと、会場の池之端文化センターで抗議行動を展開したが、不幸にも七十六人(大阪二十六人)という大量逮捕者を出すに至った。

これら青年会員たちの一日も早い釈放と愛国愛族闘争の勝利のために、団員皆さんの熱い激励と救援を訴えるものである。

 

八・一三池之端事件で検挙された後、十九日ぶりに十四人が釈放された。

先に釈放された四人を加えて、民団大阪本部は「八・一三義挙愛国愛団青年激励会」を開いた。

私は「祖国と民団のために行動をとったという誇りを持ってほしい」と激励した。

一九七七年三月にも、民団神奈川県本部の会館が反政府グループの韓民統らに占拠されたことがあるが、そのときは、洪性仁を中心とする大阪の青年も突入した。

私と富士の社長と一緒にいって、握り飯を差し入れし、激励したこともあった。


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