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黄七福自叙伝「強制連行」/「行政差別撤廃運動のこと」


 

黄七福自叙伝54

「ああ祖国よ 我れ平壌で叫ぶ時 祖国は統一」

 

第4章 民団大阪本部の団長として

強制連行

強制連行は、第二次大戦中、日本が労働力確保のために植民地や占領地から強制的・暴力的に人々を連れ去ったことを意味することが多い。

一九三八年の「国家総動員法」に基づき翌年から実施された労務動員計画によるもので、朝鮮では三九年の「朝鮮人労働者募集要項」(募集方式)、四二年の「鮮人内地移住斡旋要綱」 (斡旋方式)、四四年の「国民徴用令」の朝鮮での適用(徴用方式)による人間の徴発のことである。

この問題は、近年、戦後補償問題として取り上げられる。

一九四〇~四五年の間に日本に連れてこられた朝鮮人は百二十万人余で、戦争の犠牲者となった。

強制連行された人々は、日本軍による人権を全く無視した強烈な民族差別の中、家畜同様の扱いを受けた。

さらに、言葉のわからない異国の地で戦火にさまよう二重の苦しみを味わった。朝鮮人人夫は、壕掘や弾薬運搬など危険できつい労働を強いられた。口にできるものは一日一杯の水ガユなどわずかな食料だけで、多くの朝鮮人が痩せ衰え、病気や栄養失調などで倒れていった。

また、極度の空腹をしのぐため、食料の略奪や逃亡をするものもでてきた。

そのため彼らの中には、「スパイ容疑」や「逃亡未遂」「食料統制違反」など、見せしめとして銃殺されるものもあった。

強制連行されたのは男性ばかりではなく若い女性達が「慰安婦」として戦場へと送られた。彼女たちは日本軍の慰みになるばかりではなく、壕などでは危険な入り口付近に追いやられた。

そして戦況が悪化して軍隊が撤退すると、食料も与えられず戦火のまっただ中に放り出され、銃弾の犠牲となっていった。

 

行政差別撤廃運動のこと

大阪韓国青年会議所(朴正準会長)ら韓国人十団体、日本人七団体が、一九七四年十月四日、黒田大阪府知事に「公営住宅入居差別問題」などの公開質問書を提出した。

つづいて十月十一日には大阪市長にも提出した。

公開質問書の四項目は、

①在日韓国人の権利の保障に関する見解

②大阪府の公営住宅に入居できない根拠と妥当性

③児童手当の支給は各地方自治体の自主的判断で裁量できるのか。支給されるなら具体的日時の明示、認められないならその根拠は

④国民年金法の福祉年金(老齢、障害、母子の各福祉年金) やその他の社会福祉法においても在日韓国人は適用されていないが、その支給制度改革に関する見解など、であった。

この動きを引き継ぐ形で、民団大阪本部(担当・洪正一民政部長)は行政差別撤廃運動を推進していくことになった。 私は、行政差別撤廃運動をあらゆる差別に拡大して推進するように指示した。

この行政差別撤廃運動は大阪にとどまることなく、民団中央本部を通じて全国の各県本部でも推進されるようになった。

民団大阪本部は、大阪府、大阪市と度重なる交渉によって、一九七五年二月、「在日韓国人の公営住宅の入居を認める、外国人登録済証明書手数料を百円から五十円に下げる、児童手当についても支給する方向で検討する」ことなどを勝ち取った。

民団大阪本部はさらに、大阪府下の全市町村議会、各政党など要望書を提出し、行政差別撤廃運動を展開していった。


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