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學山南碩煥先生追悼論文集「南塾長との友情」


學山南碩煥先生追悼論文集3

大切なご縁と私の人生

II.人生とご縁

6.交友と追憶の文

南塾長との友情

鄭永鎬
(韓國教員大學校教授・博物館長)

 南塾長から南塾が開塾して40年が過ぎたという話を聞いた。実に感慨無量なことである。私が南碩煥先生と知り合ってから15年、檀國大学校教授兼博物館長として在職していた時だった。慶州にいる親友の金源周、禹柄益両氏から紹介をうけて、ソウルの研究室でお会いした。非常に温和で人情あふれる印象だった。さて、私が博物館長として韓国の文化遺跡をまわりながら研究をしていたが、南先生も韓国の歴史と遺跡・遺物について研究を熱心にして全国を踏査しているとのことだった。初めての出会いで意気投合し乾杯をし、今後も親友としてつき合うことを誓った。

 1982年1月に日本の文化庁、東京国立文化財研究所の招聘教授として東京に行くことになった時、南塾をはじめて訪ねた。その時に立派に運営されている南塾を見学して諸先生と会って、会食をし、お酒もともに呑んだ。どんな機関でもみな同じであるが、責任者と構成員が心を合わせ最善の努力をすれば、ならないことはなく、難しいこともないのである。南先生は明け方から事務室に座り、その日のことを点検し、父上が自ら席を動かして清掃をし、奥様が様々なお世話をしながら、ご家族全員が南塾の運営と繁栄に誠意を尽くした姿は深い印象と感動を受けた。

 このような真面目な南塾出身の学生は社会に進出してどれほど尊敬をうけているだろうか。どれほど多くの人材を輩出しているだろうかという考えにかられ、南塾の諸先生と南碩煥塾長に対して尊敬の心を自然とにじみ出た。「南先生は有能な経営者である。まず頭がよく明晰な判断力があり、根気のある努力家であり、人情に厚く、人助けすることを分かっている人である。そしていつも本を手放さない学者であり、他人に智識を分かち与え、良道へ引導する教育者である」。このような考えは私だけでなく、南先生を知るものが皆同様に思っている。

 私は日本を嫌いだったのは朝鮮總督府時代に学校に通ったためである。そうした中、1975年度にはじめて日本に行った時には多くの抵抗感と境界があった。しかし、1982年に日本で南先生と再会して、南先生とともに日本各地の遺跡と遺物を調査しながら、特に韓国古代文化の遺産を見学した時、受けた感慨無量さは到底すべて話すことはできない。それで帰国すると日本へ再び行かなければならないという思いをもつようになった。それ以後、私は機会がある度ごとに日本へ行き、その時ごとに南先生とともにあちらこちらをめぐりながら勉強をした。それである程度把握が可能になったが、これは正に南先生のおかげであった。

 南先生は全世界について眼識が広く深かった。私は南先生の導きでヨーロッパ諸国をはじめ、印度、パキスタン、インドネシア、タイなどを踏査した。そして中国各地を踏査しながら見聞をひろげた。仏教遺跡を求め、理解するのに全力を傾けた。ところが現地を訪ね遺跡や遺物を見学するのには南先生の緻密な計画なくしては不可能だった。南先生は飛行機の中で、さらには食堂で食事が出るのを待つ時間もトイレでも本を離さなかった。このように南先生が事前に文献による調査と正確な所在を把握してくれたお陰で、いつも円満な踏査と望ましい研究の進行が可能になった。

 南先生は人情が厚いながらも厳しい時には厳しく、万事に節度があって自分自身が実践していた。印度のカシミール地域を踏査した時のことである。我々を載せて廻ってくれていた乗用車の運転手が何日もの間、難しい道の運転によって疲れたいただろうに、変わりなくよくしてくれていた。チベットのダライラマが来ていたラダックへ行く道はどんなに厳しい旅程であったか分からない。しかし、彼は最後まで変わりなくよくしてくれた。これに南先生はこの運転手を賞讃し、厚遇してくれた。一方、この時、スリナガラのボートハウスの主人が道理にはずれたことをした。すぐに南先生は峻厳に叱りたしなめた。しかし彼に対する支払いを削ったりはしなかった。

 南先生と私の友情はより厚くなっている。今も会う度ごとに南塾の話を訊ねると諸先生の様子を伝えてくれる。私は南先生の円熟した経営能力により今後の南塾はより一層大きな栄光がもたらされることと信じている。南塾長をはじめ諸先生方の健康、南塾の絶え間ない繁栄のために両手を合わせて祈願するものである。


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